Aaron Swartz という人のブログに HOWTO: Be more productive というエントリーがあり、生産性の向上に関しておもしろい視点を提案してくれています。その日本語訳版、生産的になろうという記事を引用しながら、僕が納得できた箇所をまとめてみたいと思います。
このエントリーの中で Aaron はさまざまな方法を提示していますので、ぜひ一度全文を読まれることをおすすめしたいのですが、僕が思う一番大切な視点は次の部分です。
割りあてられた問題というのは、人からこれこれをやるようにと言われた問題のことだ。「動機付けさせられて」なにかするという場合、人はすすんでそれをやるようなことはなく、その成果も芳しくないということが、いくつもの心理学の実験から明らかになっている。報酬にせよ懲罰にせよ、外部から与えられた動機というのは心理学用語でいうところの「内発的動機付け」――問題に対して抱く自然な興味というやつ――を殺してしまうのだ。(このことは社会心理学でもっとも繰り返し確認されていることのひとつで、70以上もの研究で、報酬はタスクに対する興味を損なうものであるということが述べられている。) どうやら人の脳みそというのは、やれと言われてやることには深い忌避を感じるものらしい。
不可解なのは、この現象が他人から言われた場合のみに限られず、やろうと自分で決めた場合でも起こるということだ。「X をやらなくちゃ、これはもう今すぐにもとりかからなければならない最重要事項なんだから」と自分に言い聞かせる、するとたちまち X はやり始めるのが世の中でいちばん億劫なものになってしまう。
つまり、人からあれこれ指示されたり、人から指示されなくても「やらなくちゃ」という思いから行動を始めると、生産性は下がってしまうということです。では、どうすればいいのか。それについてが、この後に述べられています。
生産性にはさまざまな神話がつきまとう。時間は交換可能であるとか、集中することはよいことだとか、自分へのご褒美が効果的だとか、きつい仕事は楽しくないとか、先延ばしはよろしくないとか。だけどそういったことはみんな、あるテーマを共有している。現実の仕事というのを、人の生来の気持ちに逆らったものとみなす概念だ。
まず問題なのは、仕事はしんどいという思い込みだと。ではそれを解決すれば、生産性を上げることができるわけです。
だけど、やりがいのあることや、クリエイティブなことをやろうというのなら、脳みそをシャットダウンさせるなんてのはとんでもなく間違ったやり方だ。生産的になる本当の秘訣というのはそれとは正反対のところにある。自分の身体に耳を傾けるんだ。腹が減ってたらなにか食えばいい、疲れていたら眠ればいい、飽きてきたら休憩すればいい、楽しそうで興味のわくプロジェクトなら進めていけばいい。
すべてはあまりにも単純なことのように思われる。へんてこな略語だとか、意思決定とか、成功した実業家からの推薦状なんてのは関係ない。それは常識のようなものだといってもいい。ただ世の中の仕事の定義が、僕らを間違った方向に押しやってしまう。生産的になりたいのなら、踵を返して正しいほうを見据えるだけで十分なんだ。
要するに、楽しもうということです。
なんだかあたりまえのような結論だし、具体的な方法があるわけでもないので、しっくりきません。ほんとにそうだろうかということで、僕は次のように考えてみました。
例えばいま大阪にいるとして、こんなことを言われたとイメージしてみてください。
「1000万円あげるから、東京に行ってひよこまんじゅう買ってきて。交通費も出すから。」
もちろんそんなことで1000万円もらえるならと喜びはするかもしれませんが、きっと実際の買い物の道中はしんどいもにとなると思います。1000万円の使い道をわくわく考えるのにはいいかもしれませんが、往復の移動時間はやっぱりしんどいし、いくら報酬の額が大きくても普通に買い物に行くときよりも劇的に生産性が上がるとは思えません。
やっぱり、報酬の有無によらず、「やらなくちゃ」という思いからは生産性の向上は望めないのかもしれません。
今度は、次のように言われたときを想像してみてください。(あなたがサッカー大好きな人だという前提が必要ですが。)
「100万あげるから、ドイツ行ってワールドカップを観て、その感想を教えて。」
サッカー好きなら、よろこんで飛んでいきます。(少なくとも僕なら。無駄に2往復してもいいぐらい。)報酬は 1/10 でも、きっとものすごくしっかり観て、感想を詳細に伝えると思います。たぶん夏休みの宿題の読書感想文とは比較にならないほど、立派な感想をまとめられるんじゃないでしょうか。かなり生産性が向上するような気がします。
つまりこういうことです。
- 生産性を上げるためには、なによりもまず楽しめるようにすること。
- そのためには素直になればいい。素直になれる環境が必要。
なるほど、確かに「やらなくちゃ」いけないことでも、楽しみながらできれば、それが許される環境があれば、生産性は向上すると思います。messaliberty でも、そんな環境が整うように心がけていきたいです。
それにしても、この Aaron Swartz という人はおもしろい。1986年生まれとまだまだ若いのに、経歴を見るとなんだかスーパーハッカーな感じ。いい刺激になります。
Aaron Swartz – Wikipedia, the free encyclopedia
僕も何か、オリジナルの考えを書かないと、ですね。
ということで、近いうちに英会話習得法についてまとめてみたいと思います。(最近は楽して翻訳記事を読んでますが。)


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