GPL と WordPress のテーマについて

» Posted by on 11月 10, 2009 in Blog | 0 comments

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GPL が問題ではない理由

WordCamp 京都 2009 は最高でした。デジタルキューブさんの GPL に関するプレゼンテーションをきっかけに、私を含む周りのグループでちょっとしたディスカッションが起こりました。

GPL でテーマやプラグインを提供する際の一番の心配事は、作り込みにあらゆる努力を注いだ後に起こります。誰かが転売するかもしれないし、格安で再販売するかもしれないし、無料で配布するかも知れません。それでは、開発者が裏切られたと感じてしまいます。

GPL はそんなことを容認するものです。でも、競合優位性を意識するならば、実はそれほど問題ではないのです。なぜでしょうか?

GPL テーマ/コード + 何か = あなたが提供するもの

何か、とは競合優位性です。競合優位性が十分ではかなったら、先ほど指摘したようなリスクに直面します。メモ: 例え法的に守られたライセンスの元でリリースしたとしても、競合優位性が十分に確立できていなければ売りたいものを売り出すことはできません。

競合優位性とは実に多用なものです。専門性であったり、蓄えた知識であったり、ブランドや高級感であったり、他者にとっての参入障壁となるものです。

いくつか例を出します。

WordPress は GPL で、しかも無料です。では (1) どうやって Automattic は利益をだしているのでしょうか、(2) なぜコードをコピーした競合がいないのでしょうか?

(1) Automattic はいくつかのサービスから利益を出しています。フリーミアムVIP ホスティング版 WordPress、商用コメントスパムフィルターなど。

(2) Automattic は WordPress に関するあらゆる事を知っています。API や UI、プラグインの取り扱いといった重要事項に対する意思の決定を行うこともできるし、多くの WordPress 利用者や開発者からの尊敬も集めています。これだけでも、WordPress においての Automattic の競合優位性は圧倒的で、例え GPL だったとしても挑戦を挑むことが現実的ではないことが分かります。

WordPress GPL コード +(知識, 開発者, 信用, 経験, ロードマップへの影響力)= Automattic の提供するもの

Red Hat とその商品、Red Hat Enterprise Linux (RHEL) も良い例です。RHEL は年間費用が $349 です。

Red Hat の場合は、すでにコードの派生から無料のディストリビューションを提供している団体あります。でもそれが Red Hat に悪い影響を与えているでしょうか?むしろ良い方向に影響を与えています。

GPL コード +(専門知識, サポート, 確かなブランド)= RHEL
GPL コード + 保証の無いコミュニティーによるサポート = CentOS

Red Hat は売上を大きく落とす事はなく、資金のある企業は喜んでサポートにお金を払います。企業の提供するサービスにもよりますが、年間 $349 から $2499 の対価を支払ってでも、サポートがあるということがビジネスにおいてはより重要な要素となるのです。

個人やスタートアップにとっては、無料で RHEL と同様のシステムを使える CentOS が魅力です。その結果、どんどんユーザーの知識は蓄えられます。つまり、システム管理者や利用者を増やすことができるのです。そうやって知識を付けたユーザーが将来有料のディストリビューションを選択するとき、SUSE より RHEL を選ぶのです。GPL と CentOS は、このように市場を拡大しています。

テーマ/プラグインの開発者としてあなたはどうか?

競合優位性を考えておけば、GPL でテーマやプラグインを開発する個人にも大きなチャンスがあります。開発者は、バグを直し、機能を追加し、カスタマイズすることができます。そしてユーザーはそんな開発者に期待を寄せます。同じ機能を持ったものを他の「X社」から無料でダウンロードしたり購入したりするでしょうか?そんなことはあり得ません。あり得ると考える誰かが開発者の努力の成果をコピーしようとしますが、より強力な競合優位性を持った開発者にとっては、それは脅威ではないのです。Automattic は GPL に守られたテーマの紹介ページに開発者を載せることによって、開発者の競合優位性確立を手助けしています。

質問や反対意見などあれば、あなたの考えをコメント欄で聞かせてください。